ニンニク栽培記2019(10)_事前のさび病対策

去年のニンニク栽培で、結構な数の株がさび病に掛かりました。

去年発生したサビ病

見た感じの通り、赤サビのような点々が付着。栽培上致命的では無いですが、広がると生育が悪くなり、球の肥大が阻害されます。

実際、収穫までもう少し肥大させたかったのに、生育が止まってしまいましたからね。

今年はその経験を元に、対策しています。

さび病の原因

さび病の原因は糸状菌と呼ばれるカビです。

排水性が悪い・風通しが悪いなどの要因で、湿度と温度が上がると繁殖します。

家で広がるカビと一緒です。

特に問題なのが排水性。つまり土の中が嫌気性になると、それを好む糸状菌が繁殖するという仕組みです。

それから、ニンニクの株自体が弱く、糸状菌に対抗できるだけの力が無いとも言われました。

さび病の一般的な対策

一般的なさび病対策は以下の通りです。(上ほど一般的)

  1. 発症している葉、もしくは株の除去と適切な処分(近くに捨てない)
  2. 薬剤散布による防除や予防
  3. 密植を改善し、風通しを良くする
  4. 排水性を向上させる

ただ、師匠からは2の殺菌を安易にやるなと教わっています。

特に土壌消毒は、カビ菌の完全死滅は不可能な上に、有用な微生物も一緒に減らし、他の病気も広がりやすくなって、結果悪化する事が多いと。

でも、結局去年は掛かってしまいましたし、1・3・4の対策をしても抑えきれませんでした。

今年のさび病予防と対策

去年の結果を踏まえて、今年は発生させないように、予防と対策を行っています。

排水性の向上

これは全てに繋がる事なので、特に重点的に。

圃場の深耕、もみがらぼかしのすき込みを植え付け前に。
これをしておくことで、好気性微生物が増殖しやすい環境を整えておきます。

次に、まず強い種子を選ぶ事。

それから植え付け時には、みどりの放線菌を根元に散布し、重点的に有用菌を増殖させていきます。
カビ菌を抑え込む戦力の投入という感じです。

植え付け後も、畝間の中耕を行い、土が固まらぬよう気をつけています。
土中に酸素を送り込む事になり、好気性微生物を優位に立たせようという事ですね。

 

一つ前の記事のように、これらの対策のおかげか、去年より株の力強さは増していると感じています。

さぁ、結果どうなるか。そろそろ越冬が終わって成果が試される時です。

ドキドキしていますが、これもまた農業の醍醐味、工夫と努力のしがいがある点だと思っています(^^)