様々な土の性質2-赤黄色土

2020年1月8日

土の性質について、第二回目は赤黄色土(せきおうしょくど)。

赤色土と黄色土という、性質の非常によく似た2種類の土を、合わせて赤黄色土と呼びます。

特徴としては以下の通り。

  • 風化が進んでいる
  • 栄養や養分が非常に乏しい
  • 鉄分を多く含む
  • 強い酸性
  • 重く硬く排水性が悪い

一言で表すなら、「土の死骸」。

うーん、そのままではとても農地には向かない性質ですね^^;

ただ、この赤黄色土も日本では多い土壌で、農地にも活用されています。

化成肥料を使うとどうなるか

栄養分の無い、土の死骸。

では、ここに化成肥料を投入するとどうなるでしょうか。

無機質のチッソが大量に入ると、作物の生育に重要なカルシウムの吸収を阻害します。

ただでさえ土壌に不足しているカルシウムが、さらに吸収出来なくなるわけです。

続いてリン酸。

赤黄色土に多い鉄分・アルミニウムと結合して固定、これまた作物が吸収するのを阻害します。

そして足りない足りないと、毎年化学肥料を追加していくと、固定されたリン酸が土壌に残り続け、悪さをするのですね。

化学肥料を使うとどうなるか

微生物がいない、土の死骸。

ならば有機肥料ならどうでしょうか?

古来から、大量の有機物を入れる事で栄養分と微生物性を上げて、栽培をしてきたようです。

でも問題は、とても硬い土で排水性が悪いということ。

根は深く張れないし、せっかく入れた有機物も、嫌気性になって腐る。

生産性の悪い土壌なのです。

対処方法

有機物を微生物でしっかり分解したぼかしを、大量に入れる事。

硬くしまった土に、柔らかいぼかしを入れ、微生物が活動できる環境を作ります。

特に、空気をたくさん取り込み、排水性も上がるもみがらぼかしが最適ですね(^^)

死んでしまった土も、あっという間に生き返っていきます。

これは、自然界ではまず不可能。

一度赤黄色土になった土が、栄養豊富な土壌へと自然に生まれ変わる事はありません。

変化したとしても、長い長い年月が必要。

それを、ほんの数年で劇的に変化させる事ができる。

人の手で、作物が健やかに生育出来る環境を整えてあげられる、素晴らしい事ですね(^^)

ただ、赤黄色土の特徴を活かした栽培をする農家さんもいますので、それはそれで凄い事とも思います。