除湿機を改造し乾燥室とダクトで繋ぐ-ニンニク乾燥機の改良2021(4)

2021年版ニンニク乾燥機、第四回です。

・ニンニク乾燥機の改良2021(1)ー構想と送風機の組立て-
・コンテナを覆うシートを自作-ニンニク乾燥機の改良2021(2)
・乾燥室を作る-ニンニク乾燥機の改良2021(3)

前回までで乾燥室が完成しましたが、乾燥室内には除湿機を置かずに運用します。

除湿機のコンプレッサーは高温に弱いので、外に出しておきたいのです。

乾燥室用の除湿機を選ぶ

まず、どのような除湿機にするかを考えます。

去年は、とりあえずコンプレッサー式ならなんでもいいかと、ヤフオクでお手頃な中古を購入しました。

ただこいつは、梅雨時の洗濯物乾燥に大活躍中なので、別途改めて購入しようと思います。

さらに、今後も長く使っていくためにある程度機種を絞り込んでおきましょう。

今回購入にあたってのコンセプトは以下の通り。

  • コンプレッサー式除湿機であること(強力で暑さに強く電気代が安い)
  • 排気(乾いた空気)をダクトで繋げられること
  • 吸気と排気を別々に出来ること
  • ホースで連続的に排水出来ること(タンクに貯めない。満水で止まらない)
  • 普及している機種で、お手軽に入手出来ること

乾燥室内の空気だけを吸い込み、除湿した空気を乾燥室に送り込みたいのです。

第一回でも載せましたが、イメージとしてはこんな感じ。

ニンニク乾燥機の概要

様々調べた結果、条件にピッタリ合う乾燥機を発見。

それが、コロナのどこでもクーラー

(多分)2005年から発売している、超ロングセラー商品。

コロナの公式サイトより画像借用

毎年型番が変わり、多少のバージョンアップはしているようですが、基本的には同じ物が2021年の今も販売されています。

という事は、相当な台数が日本中で出回っているという事。

これには、「ヤフオクなどで中古が入手しやすい」「改造した記事が結構見つかる」「壊れてもすぐ同型を入手できる(改造が無駄になりにくい)」といったメリットが発生します。

そして、他の条件も完全に満たしており、まさに私が求めていた商品です!

という事で、さっそくヤフオクで程度の良さそうな物を3,000円で購入。

購入した型番は、「CDM-1011」

ここで型番についてちょっと解説しましょう。

CDMの後の数字「1011」は、「除湿能力10L型」「2011年モデル」を表しています。

より強力な「除湿能力14L型」なら、「14○○」となり、最新の2021モデルなら「○○21」となります。

なお2005年モデルだと「○○5」となり、「○○05」とはならないので注意。

それから、付属品として排熱ダクトが本来ついてきます。

クーラーとして使用する場合に、排熱用として使う為のダクトです。

除湿モードだと、乾いた空気を押入れ内に送り込む時などに使うようですね。

ただ、この布製ダクトは今回の用途だと使用に耐えないので、結局使いませんでした。

どこでもクーラーの吸気部・排気部を改造する

このどこでもクーラーを除湿モードで使うと、両側についた給気口から湿った空気を吸い込み、背面部の排熱口から乾いた空気を出します。

公式の画像だと片側から吸っているような感じもしますが、実際運転したら両側から吸っていました。

公式サイトから画像借用

乾燥室の空気を直接吸込口に送り込み、排熱口から出てきた乾いた空気を直接乾燥室に送り込む為には、吸込口と排熱口を空間で区切る必要があります。

色々試行錯誤した結果、こんな感じに仕上がりました。

改造したどこでもクーラー。前面

いわゆる「中空ポリカ」、二重になったプラダンのような素材で枠を作っています。

ホームセンターでは、「ツインカーボ」とか「ハモニカーボ」とかの名称で売っている物で、二重構造になっており断熱性と強度が高いのが特徴です。

これを切り貼りし、吸込口は両側覆った上で、操作ボタンが押せるように形を作っています。

どこでもクーラー改造。背面から。

後ろから見るとこんな感じ。排熱口はしっかり開けてあります。

また、排水タンクは出し入れ出来るようにしてあります。

ただしこの機種、連続排水用の口がついており、そこにホースを繋げればタンクに水を貯めずに済むのです。

標準でこれが出来るようになっているのは、実にありがたいですね。

いちいちタンクの水を捨てずに済みますから。

排水ホースは、パイプ小屋の外側へ出しておけば良い訳です。

そして、乾燥室から空気を送り込む用のダクトを繋げる部分がこちら。

ホームセンターをウロウロして(大好き!)、安価で良さそうなパーツを発見。

エアコン用の部材で、クーラーキャップという商品です。

100mmのダクトを繋げるので、筒の外径が100mmの物を選びます。

300円ほどで、ダクト専用の物よりはるかに安いですね!

これもテープで繋げておきます。

なお排熱口側は、付属のダクトアダプターがありますが、先端が少し膨らんでいて、100mmのダクトが入りません。

そこで、このクーラーキャップが入るように外側をカッターで削り、無理やり入れ込みました。

ちょっとスキマがありますが、まぁこれぐらいは許容範囲です。

これで除湿機側の準備が整いました。

除湿機と乾燥室をダクトで繋げる

最後に、除湿機と乾燥室をダクトで接続します。

使うのは、軽く曲げやすく、お値段も手頃なアルミ製のフレキシブルダクト。

1m足らずの長さで販売していますが、3mほどまで伸ばせますし、簡単に曲げられて使いやすいです。

乾燥室側にもダクトが取り付けられるよう、クーラーキャップを同じく取り付けていきます。

排気側は高さを合わせて、最短で繋がる位置に取り付け。

なお、外れないようにホースバンドで固定しています。

吸気側は、乾燥室の一番上にクーラーキャップを取り付け、ダクトを差し込みます。

熱は高い方に集まるのと、換気扇は上方向に風を送っているので、吸込口に自然と空気が入りこむように天井部分としました。

こういう流れ的な物は、自然の摂理に逆らうとうまくいきません。

ダクトを曲げながら、反対側を除湿機に接続します。

これで、一通り接続できました。

なんだか怪しい実験装置みたいですね(笑)

ニンニクの入ったコンテナを乾燥室内に入れ、ビニールで覆い、有圧換気扇を作動させて乾燥室を閉めます。

その上で除湿機も回せば、空気がグルグル循環して乾燥室内の湿度が下がるって仕組みです。

最後に、直射日光避けで遮光シートを被せて完了!

数日運転してみて、乾燥室内の湿度は20%~30%ほどと、なかなかいい感じ。

ただ問題は温度です。

基本的には35度以下にするべきなのですが、日中の暑い時間帯はどうしても超えてしまう・・

除湿機を通って排熱口から出てくる空気は、熱くなってますからね。

そこで、夜間は除湿機をONにして・日中はOFF。これで35度は超えないし、テンパリング乾燥にもなるはずです。

ただ、夜間は30度以下まで落ちるので、ちょっと物足りない。

そこで、もうひと工夫改造してみましたが、それはまた次回に!