様々な土の性質、第8回目は過剰害について。
自然界で作られた土壌ではなく、人が農業を続けるうちに作り出される、人為的な土壌の状態です。
過剰害とは
作物に悪影響を及ぼす何かの成分が、土壌に残留し続けている状態です。
その”何か”は色々ありますが、原因の多くは化成肥料と家畜糞の肥料。
普通、これらは作物を良く育てようと、お金と手間暇を掛けて入れている資材ですよね。
なのに、害を及ぼす原因にもなる・・今回はそこを解説します。
化成肥料の問題点
例えば、チッソ・リン酸・カリウムが全て配合されたオール14やオール8などの化成肥料。
もちろん、作物に必要な栄養素だから入れるのですが、入れた成分を毎回全部使い切るわけではありません。
必ず残留する成分があり、毎年同じ量を入れては残留する成分もどんどん偏って増えていきます。
それに、作物に必要な成分だけでなく、同時に不要な成分も入ってしまいます。
チッソは、硫酸アンモニウムから作られますが、その為にチッソと同量の硫酸イオンも含まれています。
カリウムの場合は硫酸カリウムから作られ、同様に硫酸イオンも含まれます。
リン酸も、過リン酸石灰から作られますが、その結果硫酸石灰が含まれます。
つまり、オール化成を投入するという事は、硫酸成分を大量に投入していることにもなります。
硫酸の問題点
硫酸が土に入って困る事、それは水に溶けるという事。
イオン化して土壌中の水分に吸収されてしまいます。
これを植物が吸収するとどうなるか?
通常の水分とは濃度が違う為、浸透圧によって逆に水分を吐き出す事になってしまいます。
家畜糞肥料の問題点
続いて、家畜糞による肥料や堆肥ではどうでしょうか。
鶏や牛の糞は発酵して肥料となります。
その家畜に与える飼料にはカリウムがたくさん含まれる為、糞にもカリウムが残留します。
牛ふんは塩分も含まれ、それらが土壌の水分に溶け出せば、硫酸と同じく濃度がおかしくなり、障害が発生します。
過剰害への対策
どちらの肥料も、有効な成分を入れているつもりが、一緒に害になる成分も過剰に入ってしまうのが、問題なんです。
一度過剰になった成分は、なかなか外には出ないようです。
他の有効な成分が効いたからと、長年使い続けていると、取り返しのつかない状態に・・
いったん化成肥料などをやめても、自然には抜けません。
足すことよりも、引くことの難しさがあります。
そこで役に立つのが、やはり微生物。
微生物は、そんな硫酸イオンも取り込んで、浄化してしまいます。
なので、微生物を増やす資材を使い続けても、過剰な害は出にくい。
むしろ使えば使うほど微生物は増え、より良い土作りができる訳です。
という事で、いつもの乳酸菌もみがらぼかしが活躍します。
コストと手間を掛けて畑に入れるのであれば、長い目でも見ても害が出ないようにする資材にしたいですね(^^)
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おはようございます。
はい!!
そうなんです。
今日も納得のブログです!!
「乳酸菌もみがらぼかし」
弊社の小さな家庭菜園に、導入してみたい思いです。
吉野聡建築設計室さん
近ければお分けしたいところです(^^)
なるほど、効果があると入れ続けると害毒にもなってしまうんですね。
もみがらぼかし、いい仕事してくれますね!
加藤康隆さん
入れ続けても害が出ず、より良くなる資材は少ないですね
なにごともやりすぎはよくないですね
中小企業診断士加藤忠宏さん
そうですね、過ぎたるは及ばざるが如し
農業でも、ゼロスタートが難しいです。
おはようございます。
余り良く解っていないで書いてますが昔はミミズがいる土は良いとか聞きました。
これにも加化学☝根拠があるのでしょうね。
shidaさん
ミミズがいるという事は、未分解の有機物が多い状態です。
実は、良い土になる手前の状態なので、まだまだなんです。
モグラも多くなりますしね・・
化学肥料だと連作により土壌中のミネラルが減っていくため収穫した野菜はミネラル不足の野菜。
ミネラルは、植物も動物も作れないので化学肥料で育った野菜はカス野菜になります。(^^;
京丹後のおやじさん
化学肥料での連作、様々な問題・デメリットがありますよね。
それでも消毒しながら進めていく・・・
そんな今の農業、少しでも変わってほしいなぁと思うところです。