様々な土の性質6ー黒ボク低湿地土

2020年1月8日

様々な土の性質、第六回目は黒ボク低湿地土。

湿性火山灰土とも言い、凹地の火山灰土をこう呼びます。

凹地、つまりは窪んでいて、水が集まってくる土地ですね。

これは極端な例ですが、尾瀬なんかも湿地です。

黒ボク低湿地土の特徴

  • 水分が多い湿地
  • 水が流れてくるので、栄養分は抱負
  • 火山灰土の為、土の粒子が細かい

水分が多い上に、細かい粒子の為、粘土のような状態になりやすいです。

つまりは、本来農地にはとても向かないのですが、そこで栽培する為の技術もちゃんとあるんです。

こういう水分が多い土壌で、大事な技術は以下の通り。

水分が多いうちは耕作しない

水分があるうちに土を耕すと、土をこねくり回すこととなり、空気が抜けて団子状になります。

そこから水分が抜けると、みっちり密度が高いまま団子状に固まります。

つまりは、空気の入る余地のない、嫌気性の土壌へと変わってしまうのです。

明渠排水をしっかり作り、速やかに排水する

明渠排水は、畝や排水路など、目に見える高さでの排水。

高畝にしたり、畝から出た水を導いて、速やかに排水するようにします。

水分が溜まる場所を作らないことですね。

溜まったところは、当然嫌気性になります。

出来れば暗渠排水も入れ、土壌中の水分も抜けやすくする

暗渠排水は、土中に埋めた排水路をつかう、見えない排水。

ある程度のコストがかかるのが難点ですが、明渠排水では抜けきれない、土壌中に残る水分を効果的に排水出来ます。

特に水分の多く、排水性の悪い土壌には有効ですね。

これらの対策をしっかり行えば、粘土質で水の溜まるような、とても農地に向かない土壌であっても立派に質の良い栽培が可能です。

そして、こういう農地に向かない場所は、採算が取れないからと放置されている事も。

技術さえしっかりしていれば、可能性は広がるのかもしれませんね(^^)