ポンプとタンクの接続を簡単にする
雨不足で土が乾いてくると、作物の生長に影響を及ぼしますから、散水が必要になってきます。
エンジンポンプで川の水を取水し、タンクに溜めて畑で散水しています。
ポンプは、2サイクルの昔からあるタイプを、去年中古で安く買っています。
中古だったので、吸い上げ側(サクション)のホースはついていたものの、吐出側(デリベリ)はついておらず、去年は庭の水道ホースをそのまま繋いで散水していたんですよ。
ポンプの吐出側は、30mm以上の口径があるのに、内径12mmのホースに繋いでいます。
ホースの先端も、付属のシャワーノズルです。
まぁ小さい畑だし、これでなんとかかるかも?(ホース買うのをケチったとも言う)と思ったのですが、笑っちゃうぐらい水量が少なかったです(^_^;)
ホースが細すぎて抵抗が大きく、圧力も水量も不足したんでしょう。
タンク内の水を撒き終わるのにも、かなり時間使うぐらい・・
時間の貴重な半農には厳しい状況でしたので、今年は全面的に改良してみました。
タンク・ポンプにホースを接続するなら、カムロックが便利
ホースをタンクやポンプに接続する場合、漏れないようしっかりと接続する必要あるのですが、毎回ねじを回すのも面倒です。
ワンタッチで繋ぎたい。
そんなときに便利なのが、いわゆるカムロック。
これを全面的に使用して、散水時に行う様々な手間を劇的に減らしていきたいと思います。
取水時と散水時で繋ぎ先を変更する
まず、全体の計画をしてみます。
川の水を取水する時は、吸込口は川の中に入れ、吐出側はタンクの中に入れます。
ただ、散水時にはタンクの上側から吸込口を入れていたので、ちょっとポンプを動かしただけで外れてしまったり、タンク内の水を全部吸い切るのが難しかったです。
(冒頭の写真がまさにその状態)
そこで、タンクの下部についているドレン口から吸い込めるように改造したいと思います。
それも、同じ吸込み用のサクションホースを使いつつ、取水・散水どちらの時もワンタッチで切り替え出来るように考えましょう。
まず、取水時はそんなに変更ありません。
カムロックを取り付けて、簡単に付け替え出来るようにしておくだけです。
散水時は、ストレーナーを外してタンクのドレン口に接続します。
下から水を吸うので、ほぼ全部の水を抜くことが可能です。
こんな感じのシステムになるよう、部材を揃えて作業します。
ストレーナーにカムロックを取り付ける
まず、吸込み用のサクションホース先端につけるストレーナーを、ポンプ標準から変更します。
ワンタッチで交換するためのカムロックを取り付けるには、管用ネジが切られていないといけませんからね。
ネジのサイズは、25Aもしくは1インチとか書かれているやつを使います。
どっちも同じ規格なんですけど、このあたりは説明すると長くなるので割愛。。
これに、同じ25A(1インチ)のオスネジがついたカムロックを取り付けます。
ネジ部からの水漏れ防止や、金属同士の固着を防ぐためのシールテープを巻き、ストレーナーにカムロックを取り付けます。
なお、紹介しているのはトヨックス製のカムロックですが、モノタロウで互換品が安価で売っています。
今回、そっちを使用しています。
タンクのドレン口とポンプの吸込口にカムロックを取り付ける
続いて、タンクのドレン口とポンプの吸込口にも同じくカムロックを取り付けます。
ポンプ側が1インチのオネジ(赤矢印)なので、今度はカムロック側はメネジです。
まぁ、厳密に言うとポンプ側は平行ネジ・カムロック側はテーパーネジで不適合なんですけど、農業で散水用なら細かい事は気にしません。
シールテープをしっかり巻いて、カムロックを取り付けます。
続けて、タンク側にも取り付けます。
ただし、ドレン(抜き出し)用の口なので、普段は抜けないようにバルブもつけておきます。
まず、普段使っているタンクのドレン口につけるキャップを、25Aのネジが切ってある物に変更します。
私が使っているスイコー製のホームローリタンクだとこれ。
メーカーごとに規格が違うので、注意しましょう。
コダマ樹脂製のタマローリーならこれかな。(バルブ付き)
私は他の用途で購入して余ってたバルブがあったので、それを使っています。
余計な出っ張りが少ない蝶ハンドルのボールバルブがお気に入り。
メネジ同士では取り付かないので、ニップルも必要です。
さっきのジョイントにバルブをつけ、そのさきにカムロック。
ちょっと飛び出しすぎで、ぶつけたら折れちゃいそう・・
90度、エルボで横に振った方がいい気がしますが、それはまた後日ということで。
サクションホースの両端にカムロックを取り付ける
さっきの写真にも写っちゃってますが、吸込用のサクションホースの両端に、カムロックを取り付けます。
ポンプとストレーナーにはオスのカムロックを取り付けたので、ホース側はメスのカムロックです。
サクションホースは、元々ポンプに3m長さのが付属していましたが、川まで遠い場合があるので、8m長さのを買いました。(下記リンク先は長さが違うかも)
なお、吸込み側の長さ(高低差)がどこまで大丈夫なのかは、ポンプの性能次第なので、「吸入揚程」とか書かれている項目を確認しましょう。
私の使っているポンプでは、8mでしたので最大長さで購入しています。
カムロックは、内径25mmサクションホースが取り付けられるメス側を選びます。
これで、吸込側は全部準備完了です。
ストレーナーを取り付けるときはこんな感じ
川からの取水時はストレーナーを付けておき、タンクから取水するときはタンクのドレン口へと繋ぎ直します。
カムロックでワンタッチだから簡単!
吐出側のホースとノズルを用意する
吐出側のホースも、去年のような細い家庭用ホースではなく、もっと太いものを用意します。
ポンプのサイズからいくと、サクションホースと同じ内径25mmにしたいところなんですが、できればホースの長さは20mほど欲しくて、そうなると25mmホースでは高すぎる・・
また、20mを1本の状態であんまり売っていないようなので、もう少し細いホースを考えます。
なお、吸込み側は極力太くする必要がありますが、吐出側はすでに圧力が上がった後なので多少細くしても影響は少ないです。
色々検討した結果、ホースは内径19mmを選びました。
吐出側は、付替えは無いので、カムロックは使いません。
そのままポンプ付属のねじ込み用継手で接続していきます。
また、ホースの先端にはノズルも取り付けます。
散水の角度を変えたり、止水も出来るノズルを選びました。
これで、全ての準備が完了です!
実際に取水と散水をやってみる
まず、川の水を取水しに行きました。
軽トラックでも降りられるところが近くにあって便利です。
川のすぐ脇まで来られるので、こういう時はサクションホースも短くていいのですが、橋の上から取水するパターンもあるので、長くしています。
タンクへ溜める速度も早く、あっという間に満杯です。
畑に移動したら、繋ぎ方を変えて散水の準備。
やはり、ワンタッチで切り替えられるのは本当に便利!
ちょっとコストかかっちゃったけど、時間は何より大事ですからね。
オクラ畑への散水も早く、このシステムを組んでおいて良かったと感じました。
残った問題点
ただし、問題点も残ります。
まず、20mもの長いホースを、巻取りリール無しで管理するのはかなり至難。
すぐホースがねじれ・折れ、大変でした・・・
また、吐出側のホースも片付けの時には取り外したいので、やっぱりこちら側もカムロックにしたいところですね。
そのあたりの解決は、また後日とします。
どうせやるなら、徹底的にやっておきましょう!