非農家が新規就農する為の基本的な方法
前回、サラリーマンが農地を借りるのは、農地法から基本的に無理である事を書きました。
では、親も非農家、自分もこれまで農業に携わってこなかった人が、新たに新規就農したい場合、どのような方法があるのでしょうか?
補助金を活用して新規就農する
国の方針としては、減り続ける農家・農業をサポートする為に、新規就農者への補助を手厚く設けています。
最もメジャーなのが、農業次世代人材投資資金(旧青年就農給付金)。
就農前の研修期間(最長2年間)に、毎年150万円支給される「準備型」
農業経営を実際に始めてから最長5年間、毎年150万円支給される「経営開始型」
これだけ読むと、個人で最長7年間も毎年150万円もらえる(計1050万円)、夢のような補助金ですよね。
でも、もちろんハードルはそれなりに高いんです。
準備型の場合
例えば準備型なら、国と県が指定している研修先で学び、そこで教わった作物を育てる事になります。
つまり、自分の自由にはならず、県が指定する作って欲しい作物を、指定する場所で栽培するのが基本です。
静岡県なら、イチゴの施設栽培が主なようで、施設を新規に立てる為に1000万円クラスの借金をして、栽培をスタートする事になります。
その作物を栽培したいのならば、大きな補助と地域のサポートがつくので、非農家が新規就農するには良い制度とは思います。
そうではなく、今住んでいる場所で、自分の作りたい物を栽培したい・・となると、全く使えない補助金ですね。
経営開始型の場合
準備型を使わずに、経営開始型から始めるとしても、非農家が認定される為には研修が必須になります。
作りたい作物があれば、それをすでに作っている農家の元へ弟子入りし、技術を学びます。
そして、どれぐらい利益が上げられるのかを自分で試算し、計画書を提出。
それを元に、一定の面積の土地を貸してくれて、営農を始める事になります。
経営開始型も準備型と同様で、基本的には県や市が作って欲しい作物が優先になります。
それと、研修期間は1年(最低150日ほど)が目安とされ(一年のサイクル全てを学ぶのが基本)、その間無給である事が多いです。
研修先によっては給料が出る事もありますが、そうでは無い場合は1年は無給で暮らせるだけの蓄えは必須ですね。
補助金は大きな金額が動きますので、審査も当然厳しくなります。
(昔はザルだったようですが、不正受給する輩もいたり、経営出来なくなる者もいたりで、年々厳しくなっている)
こちらも、条件が当てはまるのであれば、非常に有力な補助金となるでしょう。
農業法人への就職
自分で独立するのではなく、農業で経営をしている農業法人へ就職する手段もあります。
要するに、農業におけるサラリーマンですね。
おそらく、リスクが一番低く、一番準備に時間がかからない方法でしょう。
全く農業の知識・経験が無くても問題無いところが多く、一から教わる事も出来ます。
そのかわり、自分の好きな物を好きなように栽培は出来ません。
農業法人に就職し、技術を学んだ後で独立する・・・という手順もあります。
農業は、他の業種と比べても新規参入者への補助金は手厚いとは思います。
でも、新規就農者のニーズと合っているかどうかは、当たり前ですけども人それぞれですね。
また、あくまで専業農家向けの補助金ばかりですから、週末農業や兼業農家にはあまり意味がありません。
自分に合った方法を、しっかり調べてから行動に移しましょう。