小型ニンニク乾燥機を簡単・低コストで自作する-1
収穫した生ニンニクは、ある程度乾燥させないと、カビが生えたり腐りやすくなってしまいます。
収穫したあとの乾燥方法はおもに・・
- 風通しの良い軒下などに吊るして干す
- 乾燥機にかけて強制的に水分を飛ばす
少量であったり、家庭で消費するぐらいなら吊るして乾燥すれば良いですが、産地ではだいたい乾燥機にかけています。
ハウスの中で、温風を吸い込み、湿気のある空気を強制排気させて大量のニンニクを一気に乾燥させているそうです。
でも、少量の生産ならそこまでの設備は導入出来ないので、自然乾燥が多くなるようですが、問題は収穫後の季節。
だいたい、梅雨の時期になり、ジメジメと湿気が増えてきます。
乾燥に時間がかかると、カビてしまう事も・・・
せっかく収穫したニンニク、カビさせては勿体無い!
という事で、乾燥機を自作してみましょう(^^)
ニンニク乾燥機の構造
一大産地、青森ではシート乾燥という手法を使う事が主流だそうです。
温風で温めたビニールハウス内に、ニンニクを入れたコンテナを積み重ねます。
それをブルーシートで囲み、ファンで温風を吸い込んだ後ハウス外へ湿った空気を排出するシステム。
出典:株式会社木原製作所:ニンニク乾燥用温風機
ようするに、温風を当てて温めつつ、強制換気しているんですね。
これを参考に強制換気システムを考えてみますが、コンセプトは以下の通り
- 簡単に・安価に作れる事
- 移動が簡単な事
- 乾燥具合を確認する(重量を計る)為、分解しやすい事
- 収穫量が上がっても、拡張しやすい事
ニンニク乾燥機のDIY
コンセプトを元に、色々試行錯誤しながら構造を考えました。
まずは完成形を。
下から空気を吸い、上から排出するシステムです。
構想は数日、材料を集めた後の製作時間はたったの約1時間ほど。
では、作り方と構造の説明を順にしていきましょう!
ニンニクを入れるコンテナを選ぶ
まず、収穫用のコンテナを選びます。
空気を通せるよう、全面隙間のあるメッシュコンテナです。
ホームセンターで、1個700円ほどでした。
似た構造ならなんでもいいですが、このコンテナは外形寸法が622×462×H196mm。
この後の工程で、この寸法が重要になってきますので、全く同じように作るのであれば、同じコンテナを選ぶ必要有りです。
これを、収穫量に応じた個数を買います(後から簡単に継ぎ足せます)
一番上と下は、ニンニクは入れません。
排気用の換気扇を選ぶ
ニンニクを入れたコンテナの中で、空気を通します。
そのために換気扇をつけるのですが、ご家庭用の普通の換気扇って、抵抗になるような物があると全然空気が流れないんです。
強い力で空気を流す為には、有圧換気扇を使います。
有圧換気扇とは、空気に圧力を掛けて流れを作る換気扇で、業務用によく使われています。
今回選んだのは、パナソニックの有圧換気扇FU-30GSU3。
ラインナップは色々ありますが、上記の機種を選んだ理由として・・
- コンテナに収まるサイズの中で、なるべく大きく
- でも、大きいほど高いので価格と風量のバランス
- 低騒音型で、一日中回していてもうるさくない(42.5dB)
- さらに静音タイプもあるが、風量が落ちるので通常タイプ
- 風量調整機を後付け出来る
この換気扇を、コンテナの中に入れて固定します。
まず木材をコンテナの幅に切り、 取り付け用の穴が4辺についているので、 それに合わせて木材にも穴あけ。換気扇とボルトで固定します。
この換気扇部は、横から空気を吸わないよう全面をビニールで覆います。
ちょうどこのコンテナをピッタリ包めるサイズ、横幅が100cmのゴミ袋を選びます。
底を切り抜いて筒状にすれば、コンテナにピッタリ!
なお、ファンが危ないので、カバーとして焼肉用の網を100均で購入、上に乗せてビニール袋と一緒にテープで固定します。
換気扇の真上と下だけ空気が流れるようにして、横はビニールで覆ってしまうのがポイントです。
収穫したニンニクをコンテナに詰める
収穫したニンニクは、すぐに根を切り落とし、茎も短くしておきます。
それを、コンテナの中にある程度は空気が通る隙間を残して詰めていきます。
詰め終わったら、先程と同様にビニールで包んでいきます。
2段か3段ずつ包んでもいいですし、後でバラしやすいよう、1段ずつでもいいかも?
このとき、一番下のコンテナは空のままとして、ビニールも包みません。
ここは空気を吸い込む為のスペースです。
コンテナを連結する
ニンニクを入れたコンテナを積み上げた後、最後に換気扇部を一番上に乗せます。
連結部から空気が入らないよう、ビニールは重ねておきます。
これで完成!
難しい工作は無し・すぐ作れてバラせる・増減も簡単。そんな自作乾燥機です(^^)
換気扇を回せば、下から空気を吸い上げ、上から排出します。
常に空気を流す事で、乾燥を早めるわけですね。
本場のシート乾燥のように温風は使っていませんが、十分乾燥出来ると思います。
実際の運転状況などは、次回に続きます。