庭に埋まった排水用塩ビパイプを移設する(3)_塩ビパイプの切断と接続

前回・前々回までの作業で、排水用塩ビパイプの移設準備は完了です。

今回は塩ビパイプの種類説明と、切断・振り替え作業終了までの解説です。

塩ビパイプの選定と購入

塩ビパイプは、ホームセンターでだいたい購入出来ます。

ただし種類がたくさんあり、素人が売り場を見てもどれを選べば良いかさっぱりわからないでしょう。

でも用途を間違えると事故にも繋がるので注意!主な種類を簡単に解説すると・・

  • VP管:給水・排水用など。一般的な圧力(1MPa以下)が掛かるライン用
  • VU管:排水・空調用など。圧力の掛からないライン用。VPより薄くて軽い
  • HIVP管:耐衝撃用。給水の耐圧性だけでなく、耐衝撃性や耐寒性も高い
  • HTVP管:給湯・温水用。耐熱性が高い

今回の用途なら、VU管ですね。

でも、元々の排水管を移設するので、基本的には元の塩ビ管と仕様を合わせます。
(パイプの側面に印字されているので、簡単に確認可能)

既設は排水用のVUで、サイズは100(外径114mm)でした。

長さは1m・2m・4mなどで売られていますが、軽トラに載せやすいのは2m。

長くするには継ぎ手を使っていけばOKです。

管を延長する継手はソケット。

なお、継手にも当然種類があり、用途に応じて選びます。

  • TS継手:VP管の給水ラインに使用。接着代が長い
  • DV継手:VP管の排水ラインに使用。圧力が掛からないので接着代が短い
  • VUDV継手:VU管に使用。DVと同じく接着代が短く、継手も薄い
  • HITS継手:HIVP管用
  • HT継手:HTVP管用。耐熱の給水用
  • HTDV継手:HTVP管用。耐熱の排水用

今回の場合は、排水用でVU管に使うので、VUDV継手を選びます。(売り場ではVU用とか排水用と書いてあると思います)

他にも継手用接着剤も購入しますが、これも当然のように塩ビの種類に応じてたくさん種類があります(^_^;)

給水用でも口径によって変わったり、違う種類同士の接続の場合はどうなのかなど、説明が大変なのでメーカーのHPを貼っておきますね。

クボタケミックス:タフダイン
積水化学:エスロン

でもホームセンターで扱う種類は限られていますし、一般的な給排水にはどちらも青い缶を買っておけば、まあ大丈夫です。

塩ビパイプを仮置きする

では、移設したいルートを掘っていきます。

排水桝周りの、現在の排水用塩ビパイプを掘り出します。

排水桝の周囲を掘り起こす

そこからさらに、新しい排水ルートを、必要な深さをだいたい測りながら掘っていきます。

結構重労働でした!

新しい排水ラインを掘る

堀り終えたら、元の塩ビ管を切断する前に新しい塩ビ管を仮置きして、問題ないか確認します。
(写真は撮り忘れ)

先に切ってしまうと、排水が流れてきちゃいますからね(^_^;)

仮置きした後、計算通りに勾配が取れているかも確認します。

水平器を置き、泡が二重線の外側に当たっていれば、ちょうどそこが排水に最低限必要な1/100の勾配になります。

水平器で水勾配1/100を確認

OKですね!

試しにホースで水を流してみましたが、しっかり排水されました。

古い塩ビ管の切断と、新しい塩ビ管の接続

いよいよ、古い塩ビ管を切断します。

切断すると生活排水が流れてきますので、作業が終わるまでは極力家の中で水を流さないようにします。

トイレや台所、食洗機もそうですね。

それでも浄化槽から少しずつ出てくるので、止水しちゃいましょう。

排水桝の中身と止水ボールの代用

排水桝をあけると、浄化槽から流れてくる排水と、浄化処理の不要な雨樋からの排水ラインが見えます。

一番低いのが排水溝へのラインですね。

ここを塞いでしまえば流れてきません。

ちょうど子供のゴムボールがピッタリサイズでした(笑)

長時間塞ぐと逆流しちゃいますが、短時間なら大丈夫でしょう。

ちなみに、専用の道具もあるようです。

排水が止まったのを確認して、古い塩ビ管をノコギリで切っていきます。

目の細かいノコギリの方が、やりやすいでしょう。

塩ビ管の切断

二箇所切って、古いラインから切り離します。

さて、ここから新しい排水ラインへは、角度が全然違います。

そこで、継手を使って角度を変えていきます。

排水用塩ビ管の振り替え

最初に90度エルボで向きを大きく変え、その先は角度を45度まで自在に変えられる、マルチエルボという継手を使えば簡単に微調整出来ます。

排水用塩ビ管・移設完了

バッチリ完成!

念の為再度勾配を水平器で確認し、問題なければ埋め戻して終了です。

おっと、止水していたゴムボールを外すのを忘れずに。

古い塩ビ管を掘り起こす

切り替えが完了したので、あとはゆっくりと古い塩ビ管を掘り起こします。

上の土をどかし、二箇所切断して持ち上げれば、簡単に取り出せました。

埋設された塩ビ管の掘り起こし

もし時間かかると嫌だな・・と思って、新しい排水ラインを全て終わらせてから掘り起こしましたが、この古い方の塩ビ管が余ってしまいました。

切ってから掘り起こすまでは、ほんの数分。うまく流用しようと思えば充分できましたね。

ちょっともったいなかったかな?

まぁ、どこか別の場所で使う日が来るかもしれませんので、とりあえず残しておきます。

 

今回、意を決して排水ラインの変更をしてみましたが、やってみると案外簡単。

やはり、必要なのはある程度の覚悟と下調べですね。

これで、埋設してある塩ビ管を気にせず、心置きなく畑として土をいじれるようになりました(^^)