ニンニク種子の植え付け前準備ーニンニク栽培記2021-22(3)
ニンニクの植え付け期に入っています。(実際には10/18段階で7割ほど完了済み)
ニンニクは、植え付け前の準備も非常に重要です。
この作業が、半年以上先の収穫に大きな影響を与えますので、しっかりと準備をしていきましょう。
種子を割って、重量と状態ごとに選別する
まず、保管しておいた1玉ごとのニンニクを、1片ずつに割っていきます。
この割る作業、なるべく植え付け直前が望ましいです。
なぜかと言うと、可能な限り、表皮が剥がれたり・傷がつくのを防ぐ為。
傷がつくと、そこから腐敗が始まったり、虫が寄ってきたりします。
それから、後述しますがチューリップサビダニ対策にも重要です。
あとは、植え付け期に入っていたほうが、どうやら割れやすくなっているのですよね。
植物も生物。繁殖の時期は自らが一番よくわかっているようです。
ただまぁ、手作業で割るのは本当に大変・・・
家族総出で作業していきます。
こんなときは、子供たちも貴重な戦力です(^^)
こうして割った種子は、腐敗していたり形が悪いヤツをまず弾いていきます。
そこから、1片の重量ごとに選別します。
ニンニクの品種ごとに違いはありますが、私の栽培する暖地系品種の嘉定種では、一番良いサイズが「4~8g」
それで足りない場合は「3g」を使い、さらに足りない場合は「9~10g」を使います。
「2g以下」はまともに育たないので、除外。
あと、意外かもしれませんが、「11g以上」の大きな種子も除外。
大きい種子は、病気や障害のリスクも大きいのです。(元から大きい品種では、違ってくるとは思いますけどね)
ニンニク栽培がうまくいかないという方。
大きく育てるより、障害を減らすほうに意識を割いたほうが良い結果になりやすいですよ。
なお今回購入した種子が30kg。
これをすべて割るのに、丸二晩。
3人前後の作業で、時間にしたら10時間弱ぐらいは掛かったと思います。
これが疲れるんですわ(^_^;)
ニンニクの種子消毒をする
割った種子は、そのままでは植え付けません。
浸水と消毒をした後に、植え付けます。
ニンニク種子の浸水
まず、可能な限り植え付け直前に浸水します。
たっぷり水を吸ってもらい、芽出しを揃えるのが目的です。
種子をネットに入れ、水に浸すこと12時間。
浸水後は、表皮が水を吸って柔らかくなっているので、丁寧に扱いましょう。
チューリップサビダニ対策として、ガードホープ液剤による浸漬処理
ニンニクの掛かりやすい病害のひとつに、チューリップサビダニによる汚染があります。
被害に合うと、保管中の鱗片が変色し、さらにその種子を植え付けてしまうと、被害は拡大していきます。
対策としては、種子を割ったら速やかに薬剤による浸漬処理(しんせきしょり)を行う事!
種子内部への侵入を防ぎやすくなります。
これもあるので、種子を割るのは植え付け直前が望ましいのです。
使う薬剤は、ガードホープ液剤。
これは劇物農薬ですので、購入先も限られてきますし、農薬譲受書という書類も提出が必要です。
インターネットだと、日本農業システムさんで購入可能ですね。
用法に従って、500倍希釈して30分浸漬させます。
写真は撮り忘れましたが、ものすごーく毒々しい色なのでビックリします。
こういう農薬を扱うときは、しっかり手袋・保護メガネ・マスク着用しましょうね!
イモグサレセンチュウ対策として、ベンレートT水和剤による粉衣作業
もうひとつ、ニンニクが掛かりやすい代表的な病害が、イモグサレセンチュウによる汚染です。
根の付け根が腐敗し、そこから鱗片も汚染され、被害が拡大すると収穫量が激減します。
イモグサレセンチュウ対策としては、ベンレートT水和剤を使います。
(ベンレート水和剤ではなく、Tがつくので注意!)
この薬剤は、JAによる販売ですので、一般には売っていません。
青森のニンニク農家・よしだ屋さんでインターネット販売もしてくれていますが、お近くのJAで注文するほうが、送料も掛からず安上がりです。
JAの准組合員なら、JAの口座を作るだけでなれますしね。
もしくは、ホーマイ水和剤という殺菌剤も同じ効果とされていますので、そちらでもいいかも?
使い方は、ガードホープの浸漬で種子が湿っている状態のまま、ベンレートT水和剤の粉をまぶして、種子にまとわせる感じです。
丈夫な袋に湿った種子とベンレートT水和剤を重量の1%入れ、優しく撹拌します。
激しくやると、表皮が剥がれるので注意!
丈夫な事で定評のある、もみがら袋を私は使っています。
まんべんなく粉衣(ふんい)させたら、丸一日ほど陰干しします。
まぁ、粉が乾けば良いでしょう。
このとき、ペットシーツを下にひいて陰干ししています。
ベンレートT水和剤の色が余計なところにつくと、大変ですので・・
イモグサレセンチュウの被害は、収穫まで気が付きにくいので、植え付け時の対策は重要です。
まぁ、乾燥工程でも対策は取れるのですけど、植え付け時とどちらも行う方が良いです。
あと、イモグサレセンチュウに感染していない種子を使うのも非常に重要ですよ!
という事で、いよいよ次回は植え付け!
毎年の事ですが、ワクワクの始まりです(^^)