自作したニンニク小型乾燥室の使用レポート
前回、大幅に改造したニンニク乾燥機ですが、乾燥の条件を一定にするのに若干苦労しました。
条件を色々変えて何日か乾燥を続け、ようやくコツを掴んできましたので、忘備録と来年度の改良へ向けて記録を残しておきます。
ただし、ある程度小規模栽培の場合向けですのであしからず。
乾燥室を作って除湿機が効果を発揮する、数10kg程度までと想定しています。
電源オンが固定出来る除湿機がある場合
温度スイッチで電源がON-OFFした際、そのまま除湿機自体もON-OFF出来るような除湿機があれば、最も制御しやすく安定します。
私の場合は、ペルチェ式の小型除湿機がそれにあたります。
ニンニクの乾燥は、テンパリング乾燥を基本とします。
(※乾燥と休止を繰り返す方法)
装置全体の構成は、冒頭の前回記事を参照して下さい。(有圧換気扇と密閉ボックスは必須)
乾燥(送風と35度の加温制御)
まず乾燥は、気温が安定して低い夜間に行います。
温度スイッチを35度に設定してペルチェ式除湿機を起動しますが、可能なら同じく温度スイッチと繋いだコンプレッサー式除湿機も起動します。(無ければ、ペルチェ式のみでも可)
除湿機は熱を出すので、まず設定した35度になるまで温度は上昇、湿度は低下。
35度に到達すると温度スイッチが切れ、両方の除湿機がOFFになります。
温度が少し下がり、温度スイッチがONになると、自動で電源が入るペルチェ式のみ復帰します。
ペルチェ式は乾燥能力も低めですが、その分発する熱も低いので、大きく温度は上がりません。
時間を掛けて除湿しながら、再び温度が少しずつ上がり、後は設定した35度付近でON-OFFを繰り返す・・という動作になります。
写真のように、温度は33-36度の間で安定。湿度も性能の低いペルチェ式でも、そこそこは下がっています。
休止(送風のみ)
気温の上がる昼間は、断熱してあっても密閉ボックス内の温度が上昇し、天候によっては35度を越えてしまいます。
特に私はビニール小屋の中で作業しているので、小屋自体の気温も上がりやすいんですね。
(換気はしているのですが)
そこで、昼間は温度コントロールをやめて送風のみとし、乾燥を休止します。
朝、気温が上がる前に除湿機の電源を切ります。
密閉ボックスの天井と1面か2面取り外し、新鮮な空気が入りやすくします。
後は、コンテナをビニールで覆った、有圧換気扇での送風乾燥のみを行います。
温度計でチェックしていても、だいたい30度程度までしか上がりません。
これで、乾燥と休止を繰り返すテンパリング乾燥となります。
電源オンが固定出来る除湿機がない場合
普通の除湿機は、コンセントを入れただけでは電源が入らず、必ずスイッチを押す必要があります。
そういう除湿機しか手元に無い場合は、細かい温度コントロールが難しいです。
なので、ある程度大雑把に乾燥します。
また、こちらもテンパリング乾燥を基本とし、装置全体の構成は冒頭の前回記事を参照して下さい。
乾燥(送風と約35度の加温)
こちらは、昼間に加温の乾燥を行います。
有圧換気扇での送風は常時ON。
除湿機も、温度スイッチを入れずに、常時ON。
断熱材で囲ったボックスですが、密閉すると温度が上がり過ぎるので、排気と吸気用に隙間を作ります。
私の場合は、天井の蓋をずらして3~4cmほどの隙間を作り、排気口としていますが、気温が上がる日はもっと開けています。
給気口は、壁の1面を少し上げて作ります。
常に外気をある程度取り込みながら、除湿機を動かしている感じですね。
気温に左右されるので、こまめなチェックが必要ですが、30度から35度くらいを狙う・・といった大雑把なコントロールは可能です。
休止(送風のみ)
夜間は送風のみとします。
温度が上がりすぎる心配も無いので、適当に。
ただし密閉すると湿度が高くなる恐れがあるので、開放状態で行います。
今年はだいぶ試行錯誤しながらの乾燥となりましたが、おかげで有用なデータも集まりました。
さらなる改良のアイデアもありますしね(^^)
次の栽培は面積も増えますので、一年後が楽しみです。