暖地系ニンニクの品種-1

2019年8月30日

前回は寒地系ニンニクの紹介でした。

今回は暖地系・暖かい地方で栽培されるニンニクの品種紹介です。

暖地系ニンニク

暖地系ニンニクとは、「低温要求量」が低い品種の事をいいます。

生育に低温がさほど必要ではないという事ですね。

寒地系ニンニクとは違い、冬季間に休眠せず成長を続ける為、収穫期がより早いです。

暖地系ニンニクの多くは、鱗片が10個前後に細かくわかれる事と、 花茎が伸びるトウ立ちをして、ニンニクの芽を収穫しやすい事が寒地系との差でしょうか。

では、主に国内で栽培されている代表的な品種を紹介します。

上海早生

暖地系ニンニクの主な産地は四国・九州ですが、そこでよく作られているのが上海早生です。

外皮はホワイト系ですが、福地ホワイト6片ほど白くはありません。

大きさも福地ホワイト6片種に近いのですが、鱗片が10~12個と細かくわかれる為、1片の大きさは明らかに小さくなります。

その分、種が多く採れるので、葉ニンニクや芽子ニンニク栽培には向きやすい品種でもあります。

トウ立ちしやすく、よく伸びる為、ニンニクの芽(茎ニンニク)の栽培にもよく用いられるそうです。

壱州早生

長崎県の壱岐市発祥で、壱岐国の別称である壱州から名付けられた在来種です。

別名「壱州ホワイト」とも。

産地以外では、種子の購入は難しいようです。

品種としては上海早生に近く、若干収穫期が遅いぐらいの違いです。

沖縄早生

主に沖縄で栽培される、極早生の品種です。

産地以外では、ほぼ目にすることは無いでしょう。

沖縄で栽培されるだけあって、ニンニクの品種の中では特に暖地向け、冬季間もどんどん成長を続け、収穫期が早いのが特徴。

見た目は薄い紫色が多く、にんにくとしては小ぶりなサイズ。

鱗片は白く、12個ほどにわかれます。

サイズが小ぶりな上に鱗片も細かくわかれるので、1片1片はかなり小さめ。

ですので、鱗片のまま料理に使いやすいそうです。

味はニンニクとしてはマイルドな分類という事もあり、鱗片丸ごと味付けにも使えたりと、特徴をうまく活用して利用されています。

島にんにく

沖縄のにんにくと言えば、こちらの方がメジャーですね。

種子もわりと簡単に購入出来ます。

沖縄早生と同じく、こちらも小ぶりで紫色をしています。

違いは、匂いも辛味も強い事。

強烈な味を好む場合に、よく使われているようです。

それと、鱗片がたくさん出来るのも大きな特徴。(多いと20片にもなるとか・・)

増やしやすく、葉ニンニク栽培にも向く・・・といった農業的な事だけではなく、子沢山の象徴として、縁起物的な使われ方もされています。

 

暖地系ニンニクは品種も多いので、次回も続けて紹介します。