寒地系ニンニクの品種
前回、ニンニクの産地と品種について解説しました。
今回は、寒い地方で栽培される「寒地系ニンニク」の品種について解説します。
寒地系ニンニク
寒地系ニンニクとは、 「低温要求量」 の高い品種の事を言います。
生育に低温が必要になるという事ですね。
冬季間に休眠するのが特徴で、一定以下の温度になると、生育を止めて春を待ちます。
雪の下に埋まっても休眠中なので問題ありません。
では、寒地系ニンニクの主な品種を上げていきます。
福地ホワイト六片
青森で主に栽培される、寒地系の代表種です。
その名の通り、真っ白な鱗片がだいたい6個にわかれていて、表皮も白いです。
にんにくの中では大型種に分類され、鱗片も6個と少ない事から1個1個が大きくなります。
そのため、1片丸ごと姿のまま使うような料理や加工に向いており、黒にんにくや素揚げになんかも使いやすいですね。
そのかわり、1玉から6個前後しか種が作れないので、数を増やしにくいです。
それと、花茎が伸びるトウ立ちもほとんどしない事から、ニンニクの芽や葉を目当てとして栽培するには不向きです。
やはりホワイト6片は、真っ白な1玉の姿で収穫・流通する事がメインの品種でしょうね。
北海道在来
昔はニンニクの産地でもあった北海道。
寒さに特に強い在来種が栽培されてきました。
外皮はホワイト系もしくは薄いピンク色で、薄皮はピンク色や赤紫色と、鮮やかなのが特徴。
鱗片そのものは白く、6個前後に分かれるので、皮を全部剥いてしまえばホワイト6片に近い感じです。
また最近は、地域によって品種の登録・ブランド化を進めており、「富良野」や「ところピンクにんにく」などの名前で流通しています。
極寒の地北海道で冬を越すだけあって、香りも栄養価も高いのが特徴の品種です。
ニューホワイト6片
福地ホワイト6片の選抜種から作られた、比較的新しい品種です。
福地ホワイト6片の良いところをさらに高めており、白さ・玉の大きさ・耐病性などに優れています。
特徴は福地ホワイト6片と一緒。
難点としては、種子の値段が高い事。
ただでさえ高価な福地ホワイト6片より、さらに高いです。
家庭菜園などで少量栽培したい人や、失敗したくない人に向いているかもしれませんね。
次回は暖地系ニンニクの紹介です。