管理機の選び方ー種類ごとの得意・不得意作業の解説ー

管理機(耕耘機)について、以前駆動方式ごとの特徴を解説した記事を書きました。

耕運機と管理機の違いと、駆動方式や種類について

自分なりにまとめたつもりでしたが、その後色々とアタッチメントを検討したり、やりたい作業の幅が出てきたりしたので、もう少し踏み込んだ部分までまとめてみようと思います。

車軸ロータリー式耕運機

移動用の車輪が無い、最もコンパクトな管理機です。

ロータリー刃がそのまま車輪代わりになり、それが一番の特徴となります。

車軸ロータリー式のメリット

  • 他方式と比べて、軽量コンパクト(狭い通路での作業もしやすい)
  • コンパクトな分安価になりやすい
  • 最も深く耕耘出来る(移動車輪が無い分、ロータリー刃を深く沈ませられる)

車軸ロータリー式のデメリット

  • 移動車輪が無いので、推進力がかなり劣る
  • 推進力が劣る為、山を作りながら進むのが苦手

移動用の車輪があると、本体そのものを土中に沈み込ませるのは不可能です。

その点車軸ロータリー式は、本体下側にロータリー刃しかないので、うまく使えばそれなりの深さまで耕耘出来るのが最大の特徴ですね。

固い土壌で、深く耕耘したい。谷(溝や通路)を作りたい。栽培中の細かい管理をしたい。そんな作業に向く方式です。

フロントロータリー式耕運機

後輪に移動用の車輪、その前にロータリー刃がつく方式です。

フロントがロータリー刃なので、フロントロータリー式と呼ばれます。

フロントロータリー式のメリット

  • ロータリー刃が車輪より前にあるので、非常に事故が起きにくい(足を巻き込まない)
  • 畑の角や隅々まで耕耘しやすい
  • 方向転換しやすい

フロントロータリー式のデメリット

  • 3方式の中で、最も深く耕耘出来ない
  • 割高になりやすい

安全面では一番優れた方式ですし、取り回しもしやすい事もあって、慣れない人には特に向いている方式ですね。

ただ、深くまで耕耘できないとなると、土の状態によっては向かないので、その点に注意が必要です。

リアロータリー式耕運機

前輪に移動用の車輪、その後ろにロータリー刃がつく方式です。

リアにロータリー刃があるので、リアロータリー式と呼ばれます。

リアロータリー式のメリット

  • 機体が安定しやすい
  • ハンドルを下げると、ロータリー刃を土に押し付けやすい
  • 畝立て用アタッチメントが使いやすく、きれいな畝を作りやすい

リアロータリー式のデメリット

  • ロータリー刃が足に近く、最も事故が起こりやすい
  • 大型になりやすく、方向転換などの取り回しが苦手

トラクターと構造的には一番近い方式ですね。

ロータリー刃の後ろに畝立て器をつければ、一回の作業で山(畝)を作りやすいのが特徴。

これは、車軸ロータリー式には難しい作業です。

ただし、硬い土でいきなりやろうとしても無理です。

それなりに柔らかくなっていればこそ、きれいな畝立てが可能になります。

広い面積で効率的に耕耘したい。畝立てしたい。そんな作業に向く方式です。

 

自分のやりたい作業が、耕耘だけなのか。それとも様々な管理をしたいのか。

山を作りたいのか、谷を作りたいのか。

安くない機械を買うのですから、用途をしっかり見定めて、購入するようにしたいですね。