暖地系ニンニクの品種-3
前回・前々回に引き続き、暖地系ニンニクの品種紹介です。
今回は、海外産のニンニクの品種を主にピックアップしてみます。
中国産のニンニクの品種
元々、日本のニンニクは大陸経由で渡ってきたと考えられています。
今でも、暖地系のニンニクは、ほとんどがその系譜ですね。
スーパーで中国産ニンニクも多く目にするかと思います。
上海嘉定種
1回目で紹介した上海早生とは、おそらく系統が少し違う品種ですね。
上海早生の鱗片が10~12個と細かく分かれるのに対して、こちらは8~10個と少なめ。
ニンニクの原種に近いとされ、辛味や香りが強く、中華料理によく合います。
外皮は白か、少し赤紫が入ります。
鱗片が多めなこともあり、葉ニンニクとしての栽培も多くされています。
山東ニンニク
中国の山東省で栽培されているニンニクで、中国でも一大産地です。
あくまで地方名だけで分類されてますが、山東省の中でも様々な品種を栽培しているのが実情のようです。
山東省の蒼山地方で栽培されているのは先述した嘉定種系が多く、他には 金郷地方で栽培されている 「金蒜3号」「金蒜4号」 といった現地の品種が日本に入ってくることもあります。
スーパーでは「中国産ニンニク」とひとくくりにされている事が多いので、実際にどんな品種か判断するのは難しいですね。
スペイン産ニンニク
輸入物のニンニクでは、中国産に並んで多いのがスペイン産。
オーガニックのニンニクとしてスーパーで取り扱うことも多いようです。
一言にスペイン産と言っても、おそらくは現地でも色々な品種を栽培していると思うのですが、そこは情報が足りず詳しいことはよくわかりません。
よくみかけるのは、ピンク色の外皮をした品種で、暖地系の鱗片が細かく小さいのが特徴です。
一度黒にんにくにしてみましたが、鱗片が細かすぎてあまり向いてませんね。
それよりも、鱗片が小さいのを活かした料理に向くと思います。
スペイン料理に合うような、ニンニクの香りが強い料理。
代表的なのは、アヒージョでしょう。
スペイン語で、「小さなニンニク」とか「刻んだニンニク」といった意味で、まさにスペイン産ニンニクが活きてくる料理です。
ただ、あくまで「商品名」としての品種紹介なので、いつかは植物学上での分類を調べてアップしたいとは思います。