あめつちニンニク栽培記24-栽培を振り返って
5月末に収穫したニンニク、今回初めての栽培でした
今後も継続して栽培していくつもりですが、だからこそ今年の反省点・翌年に向けての改善点を、今のうちにはっきりしておきましょう。
もちろん原因のわからない事もありますが、何故かを考え、予想しておく事も大事です。
起きた事とその原因を考える
収穫までに起こった出来事と、その原因をそれぞれ挙げていきます。
<玉のサイズ>
傾斜地で栽培し、高い方から3段の畝を作って、それぞれ3列での栽培でした。1段目・2段目は比較的小ぶりなサイズとなり、3段目はかなり大きい玉が多かったです。
傾斜地だからこそ、肥料成分・水分がより下に流れ出し、偏ったのでしょう。無化学肥料で育ててますので、水溶性の肥料分はそんなにないと思ってたのですが、大きな差が出ました。
元は茶園でしたので、その時の肥料分が残っていた可能性もあります。
水分についても、当然下の方に流れはしますが、3段目は畝の高さも他と比べると低かったんですよね。
その影響もあったのだと思います。
<病害・障害について>
さび病が3段目で発生。その後全体に広がってしまいました。
さび病自体はニンニク栽培において致命的ではなく、生育が悪くなる程度なので収穫は可能だったのですが、もちろん発生しない方が良いです。
さび病の原因としては、排水不良とチッソ過剰が考えられます。
他にも、センチュウの被害にあった株もいくつかありましたが、これもほぼ全て3段目でした。
チッソ分を多く含むような資材は入れて無いので、先述したように傾斜地の影響が大きいかもしれないですね。
肥料分・水分が多くて大きく育ちやすいが、その分病害がでやすいようでは、意味が無いです。
また、水分過剰は悪玉菌・カビの温床となりますので、適切な排水性はやはり大事でしょう。
来年に向けての対策
一言でまとめると、「排水性と微生物性の向上」。これにつきます。
ではどうするか?を考えましょう。
排水性の向上
傾斜地・山の斜面での栽培でしたが、土の腐食が進んだ上の方だけ使って栽培してます。
でも、その下には心土と言われる、固くて栄養分も無い地層があり、そこには手をつけていませんでした。
そこが水の排水を遮っている可能性ありますね。
対策は、深く掘った上で乳酸菌もみがらぼかしのすき込みが効果的と思います。
微生物たっぷりで、保水・排水性をあげる分解されたもみがら入りですから。
ただ、鍬一本でやってますので、多分限界が・・・
難しい場合は、畝を高くする事と、一条植えにして、心土の上で排水を促せば良いかと思います。
微生物性の向上
善玉の微生物性を上げるには、好気性の土壌にする事と、エサの供給が大事です。
悪玉菌は酸素を嫌う嫌気性、善玉菌は酸素を好む好気性です。
水に浸かれば当然酸素は遮断、嫌気性になりますので、排水性と関係が強いですね。
同じように深く掘り、乳酸菌もみがらぼかしのすき込みが効果的です。
エサは緑肥のすき込みで対応します。
ニンニクは、夏の間がぽっかり栽培期間から外れます。
緑肥の生育もよく、都合がいいですね(^^)
しっかり耕した後で緑肥を育て、すき込んでおけば微生物の増殖が望めます。
栽培する土壌は年々良くしていく
よく連作障害があるから、同じ作物を連続して育てられない、やるにしても土壌消毒が必要・・・といった話を聞きます。
つまり、作れば作るほど土壌は悪くなり、作物に適さなくなっていくという事ですよね。
でも、それではダメなんです。
作れば作るほど、土壌は良くなり、手間がかからなくなる・・・そんな環境こそ理想でしょう。
その為にはどうするのか?やはり鍵は微生物です。
作物に悪影響を及ぼすのは、ほとんどが菌。
逆に、好影響を及ぼすのも菌。
土壌消毒をするというのは、良い菌も殺してしまうという事。
そうではなく、善玉菌が常に優勢になるような、そんな環境を作っていく事が大事なんですね。
まるで、人間の腸内環境と一緒のようです(^^)
毎年こうやって対策を進めて、どんどん良い土壌にしていきたいと思います。