チッソの過剰害は恐ろしい
畑の土壌や作物へ、何かを与えすぎると害を及ぼす事があります。
過剰害と呼びますが、特に恐ろしいのが、チッソの過剰害。
今回はそこを少し掘り下げてみます。
チッソの効果
チッソは、主に葉を大きく育てる効果があり、葉肥とも呼ばれます。
植物にとっては重要な要素で、植物はチッソを得て葉緑素やタンパク質を作ります。
葉や茎は早く太くなり、緑色も濃くなる事から、多く与えられやすい肥料でもあります。
チッソの問題点
そんな重要なチッソですが、必要以上に与えて植物にとって過剰になってくると、とたんに悪さをしだします。
チッソを多く含む葉というのは、虫の大好物。
葉に多く含まれたタンパク質(アミノ酸)を求めて、虫はやってきます。
また、窒素過剰の葉は、えぐ味も出て美味しくありません。
(よく言われる、虫が好む葉は美味しいは間違いです)
そして、虫に食われては売り物になりませんから、農薬を撒くハメに。
農薬の是非は別にしても、結局それはコストと手間な訳です。
撒きたい人などいないはずですから。
さらに問題なのは、チッソ肥料の多くは硫安と呼ばれる硝酸アンモニウムから作られますが、これにはチッソ成分と同時に硫酸も含まれており、微生物を死滅させてしまいます。
微生物の減った土壌は、固く締まり空気を減らし、雑草を増やします。
結果収量は減り、品質も落とす事に。
そして、チッソによって大きくなった葉ですが、光合成をする力は弱くなります。
葉ばかりで実は大きく育たず、光合成も不足するので糖度も乗らず、結局美味しい野菜は作れません。
一度過剰になったチッソを減らすのは大変です。
どれぐらいのチッソが必要なのか、盲目的に入れるのではなく、しっかり必要量を把握するのが大事でしょう。
コストと手間をかけた結果が、ひ弱で美味しくない野菜を作るだけでは、なんの意味もありませんからね。